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特集 最近のトピックス2007 Clinical Dermatology 2007
1. 最近話題の皮膚疾患
ATRAによる陰囊潰瘍の1例
A case of scrotal ulcer induced by all trans retinoic acid:ATRA
新出 真理子
1
,
入澤 亮吉
1
,
宮崎 香理
2
,
木内 章裕
2
,
坪井 良治
1
Mariko NIIDE
1
,
Ryokichi IRISAWA
1
,
Kaori MIYAZAKI
2
,
Akihiro KIUCHI
2
,
Ryoji TSUBOI
1
1東京医科大学皮膚科学教室
2東京医科大学老年病学講座
1Department of Dermatology, Tokyo Medical University, Tokye, Japan
2Department of Geriatric Medicine, Tokyo Medical University, Tokyo, Japan
キーワード:
ATRA
,
急性前骨髄球性白血病(APL)
,
陰囊潰瘍
,
ATRA症候群
Keyword:
ATRA
,
急性前骨髄球性白血病(APL)
,
陰囊潰瘍
,
ATRA症候群
pp.17-19
発行日 2007年4月10日
Published Date 2007/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412101610
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要約 急性前骨髄球性白血病(acute promyelocytic leukemia:APL)に対するall trans retinoic acid (ATRA)投与により陰囊潰瘍が発生した症例を報告する.初診時現症では陰囊に激痛を伴う黒色壊死組織が固着した潰瘍を多発性に認めた.病理組織所見としては潰瘍部に出血,壊死,著明な好中球浸潤が認められた.ATRA内服は継続しながら,5日間プレドニゾロン30mg/日を投与し,炎症は軽快し,約2か月で上皮化した.ATRAによる分化誘導療法は,高い完全寛解率によりAPLに対する初回寛解導入療法として定着しているが,白血球増多に伴い,発熱,胸水貯留,呼吸困難などを認めるATRA症候群が出現することがある.ATRA症候群と陰囊潰瘍は一般には異なるものとされているが,合併例もあるため,ATRA症候群の一症状の可能性も否定できない.
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