Japanese
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症例報告
ドセタキセル水和物による固定薬疹が強く疑われた1例
A suspected case of fixed drug eruption due to docetaxel
任 恵美
1
,
奈良 武史
1
,
中道 寛
1
,
池田 佳弘
1
Megumi NIN
1
,
Takeshi NARA
1
,
Hiroshi NAKAMICHI
1
,
Yoshihiro IKEDA
1
1京都第二赤十字病院皮膚科
1Department of Dermatology,Kyoto Second Red Cross Hospital,Kyoto,Japan
キーワード:
ドセタキセル
,
固定薬疹
Keyword:
ドセタキセル
,
固定薬疹
pp.628-630
発行日 2005年6月1日
Published Date 2005/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412101504
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要約
49歳,女性.2001年2月より,右乳癌肝転移に対してドセタキセル水和物60mgを用いた化学療法を開始されたが,8回目に当たる同年8月7日の治療翌日から肛門周囲にそう痒と紅斑を自覚するようになり,以後,化学療法のたびに出現した.2002年12月6日に15回目の化学療法が行われ,その日の夕方から同様の症状を認めたため,同年12月10日に当科を受診した.初診時,肛門周囲に辺縁のやや隆起した中央部退色傾向の紅斑を認め,紅斑上には小水疱が散在していた.組織学的には,表皮内に好酸性壊死を伴う水疱と液状変性がみられ,真皮ではリンパ球,組織球の浸潤とメラノファージを認めた.塩酸アザセトロンのみの再投与では発疹の出現がみられなかったことから,ドセタキセル水和物による固定薬疹と考えた.2003年3月18日からアドリアシンに変更して化学療法を行っているが,同様の症状はみられない.
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