連載
アメリカで皮膚科医になって(9)―From Japan to America:American Life as a Physician-Scientist
藤田 真由美
1
1コロラド大学皮膚科
pp.644-645
発行日 2006年6月1日
Published Date 2006/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412100959
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チームワークの皮膚科外来 (Teamwork)
医療は,言うまでもなく,チームワークである.入院,手術はもちろん,外来診察でもチームワークは欠かせない.特にアメリカの医療では,保険や訴訟問題があるため,円滑で迅速な診療を行うためには医師以外に多数のスタッフが必要となってくる.コロラド大学病院皮膚科外来では,15人の医師と12人のレジデント以外に現在41人の皮膚科外来スタッフが常勤していて,私たちの診察を補助している.予約受付,診察室窓口受付,看護補助,看護師,術前保険審査,生検スライド作製(蛍光抗体とMohs手術用),保険請求,電話相談,カルテ管理などおのおのの役割は様々であるが,役割分担が明確である.実際に診察の流れを追ってみると,それぞれの役割と必要性がよくわかる.
以前にも書いたように,皮膚科専門医の診察を受けるためにはまず主治医からの紹介が必要となる.これらの書類やカルテのコピーは,まず予約受付係の元へ送られる.その後,予約受付係は,電話で患者と予約日を決めたり変更したり,また診察日前日には予約の電話確認などをする(図1).患者は,診察日当日はまず受付で,問診票の記載,保険会社の情報を提出して,診察料の自己負担金(大抵の保険では,10~30ドルである)を支払う(図2).自己保険の場合には,最低診察料の全額(150ドルぐらい)を払わないと診てもらえない仕組みになっているが,無保険で低所得者の場合には,政府や州の救済制度に申し込んで登録してあればこれらは免除される.
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