連載
アメリカで皮膚科医になって(7)―From Japan to America:American Life as a Physician-Scientist
藤田 真由美
1
1コロラド大学皮膚科
pp.410-411
発行日 2006年4月1日
Published Date 2006/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412100582
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専門医としての皮膚科医
(Dermatology as a Specialty)
アメリカで医者をしていると,こちらに赴任中や滞在中の日本人から医療電話相談がかかることが多い.「私の友人の知人の娘さんが…旦那さんが…医者にかかりたいのだけど,英語ができないから,先生の診察室に行ってもいいですか?」こういう場合,日本のように 「はい,いいですよ.外来に言っておきますから,明日来て下さい」とはいかないので,大変である.なぜかというと,まず,アメリカ医療保険の仕組みの問題,そして,専門科受診という手続きの問題があるからである.
アメリカでは,医療保険の種類によってカバーする医師,病院が限定される.また,皮膚科のような専門科にかかるためには,まず主治医の診察治療を受けたうえで,その主治医の専門外だから皮膚科に紹介する,という手続きをとらないといけない.アメリカ人でさえこの仕組みを理解していなかったり,煩雑さに文句を言うくらいであるから,これをアメリカの医療事情に疎い人に説明して納得してもらうのは大変である.
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