Japanese
English
症例報告
甲状腺癌を合併した低悪性度脂腺癌の1例
A case of low grade sebaceous carcinoma associated with thyroid carcinoma
林 昌浩
1
,
石澤 俊幸
1
,
鈴木 真彦
2
,
安齋 眞一
3
,
三原 一郎
4
Masahiro HAYASHI
1
,
Toshiyuki ISHIZAWA
1
,
Masahiko SUZUKI
2
,
Shin-ichi ANSAI
3
,
Ichiro MIHARA
4
1山形県立日本海病院皮膚科
2山形県立日本海病院外科
3秋田大学医学部感覚器学講座皮膚科学・形成外科学分野
4三原皮膚科
1Division of Dermatology,Yamagata Prefectural Hospital
2Division of Surgery,Yamagata Prefectural Hospital
3Depertment of Sensory Medicine,Division of Dermatology and Plastic Surgery,Akita University School of Medicine
4Mihara Dermatology Clinic
キーワード:
低悪性度脂腺癌
,
Muir-Torre症候群
,
甲状腺癌
Keyword:
低悪性度脂腺癌
,
Muir-Torre症候群
,
甲状腺癌
pp.1187-1190
発行日 2004年12月1日
Published Date 2004/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412100894
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80歳,女性.約20年前より存在し,3か月前から急に増大してきた腫瘍のため当科を受診.初診時左下顎部に径18mm,黄色痂皮を付着し紅色で易出血性の有茎性腫瘤を認めた.組織学的に,真皮内に小葉状に増生する比較的境界明瞭な腫瘍巣があり,構成する細胞は好塩基性細胞が主体でところどころに泡沫状細胞を混じ,核異型・核分裂像を示していた.泡沫状細胞はズダンⅢ染色陽性であった.以上より低悪性度脂腺癌と診断した.全身検索にて甲状腺腫瘍を指摘され,切除したところ濾胞癌であった.低悪性度脂腺癌は近年提唱された概念である.また,Muir-Torre症候群に生じる脂腺腫瘍は自験例のような低悪性度脂腺癌の組織像を呈することが少なくないため,内臓悪性腫瘍についても今後も留意して検索・経過観察する必要があると考えた.
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