Japanese
English
症例報告
血清中抗Dsg3抗体価測定が治療上有用であった増殖性天疱瘡の2例
Evaluation of the serum anti-Dsg3 autoantibody titer in two cases with pemphigus vegetans
齋藤 まるみ
1
,
東條 理子
1
,
岸本 和弘
1
,
西部 明子
1
,
尾山 徳孝
1
,
中村 晃一郎
1
,
金子 史男
1
Marumi SAITOH
1
,
Michiko TOJO
1
,
Kazuhiro KISHIMOTO
1
,
Akiko NISHIBU
1
,
Noritaka OYAMA
1
,
Koichiro NAKAMURA
1
,
Fumio KANEKO
1
1福島県立医科大学皮膚科学講座
1Depertment of Dermatology,Fukushima Medical University School of medicine
キーワード:
増殖性天疱瘡
,
抗デスモグレイン抗体
Keyword:
増殖性天疱瘡
,
抗デスモグレイン抗体
pp.1080-1083
発行日 2005年10月1日
Published Date 2005/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412100301
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要約
症例1:42歳,女性.口内炎と外陰部のびらんを生じた.病理組織で表皮肥厚,棘融解および基底膜直上の裂隙形成,蛍光抗体直接法で表皮細胞間のIgG とC3沈着を認めた.血清中抗Dsg3抗体は陽性で,増殖性天疱瘡と診断し,プレドニゾロンの投与により皮疹は軽快した.症例2:58歳,男性.口内炎および体幹にびらんと水疱を生じ,近医で尋常性天疱瘡として加療されたが,皮疹の再燃を繰り返していた.病理組織で粘膜上皮の肥厚と表皮内水疱,蛍光抗体直接法では表皮細胞間にIgGとC3の沈着を認めた.血清中抗Dsg1抗体および抗Dsg3抗体が陽性であった.増殖性天疱瘡と診断し,プレドニゾロン,シクロスポリン投与により再燃なく加療し得た.自験例において血清中抗Dsg3抗体価を測定したところ,臨床経過との相関がみられ治療上有用であった.
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