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2005年2月3~5日,ドイツ・ベルリンで行われたInternational Symposium on the Biology and Immunology of Cutaneous Lymphomaに参加しました.関西国際空港で浜松医科大学の瀧川教授と合流させていただき,当教室戸倉,筆者の3人でベルリンへと向かいました.恥ずかしながら筆者がヨーロッパを訪れるのは初めてのことであり,なおかつ日本を発つ日は記録的な寒さであったため,現地の寒さを覚悟していました.パリ・シャルルドゴール空港で3~4時間待ち,ベルリン・テーゲル空港にようやく着いたのは現地の夜9時頃だったでしょうか.しかし,空港からタクシーに乗るときもそれほどの温度差は感じませんでした.ベルリンの壁崩壊から15年が経ち,ベルリンは再び首都の座に返り咲いたのですが,歴史的建造物が多い中,近代的でモダンな建築物が急ピッチで建設されているのを見ると,確実に世界に恥じないドイツの首都“Berlin”へと進んでいる印象でした.
さて,この国際会議はEORTC Cutaneous Lymphoma Study GroupとInternational Society for Cutaneous Lymphoma (ISCL),そしてEuropean Society of Dermatological Research (ESDR)の共催で毎年,Charit病院で開催されています.この病院はペスト患者の治療のために建てられたというのですから,その歴史の長さは創立30年ほどの産業医科大学出身の私からは想像できないものです.KochやVirchowといった医学史に残る人物の記念碑があるその古い敷地内の,200人ほどが収容できる比較的狭い講堂内で行われていました.研究者達でギッシリと埋め尽くされた学会会場内で繰り広げられる内容は,まさに皮膚リンパ腫の免疫学的,分子生物学的研究から診断そして治療に至るまで,最新かつ高度な知見で,活発に議論されていました.それは毎年アメリカで開催されるSociety for Investigative Dermatologyのリンパ腫部門よりも内容は濃いのではないでしょうか.日本で最も大きな皮膚リンパ腫の学会といえば皮膚リンフォーマ研究会,現在の皮膚悪性腫瘍学会のリンフォーマ部門になりますが,正直圧倒的なレベルの差を感じました.と同時に冒頭での日本とベルリンの温度差はむしろここに存在したとでも申しましょうか.
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