Japanese
English
症例報告
上口唇に生じた硬化性血管腫(sclerosing hemangioma)の1例
A case of sclerosing hemangioma of the upper lip
松原 多汪
,
国府田 務
1
Kazuhiro MATSUBARA
,
Tsutomu KOHDA
1
1東京医科大学霞ケ浦病院病理部電顕室
1Department of Pathology,Tokyo Medical University,Kasumigaura Hospital
キーワード:
硬化性血管腫(sclerosing hemangioma)
,
線維性組織球腫(fibrous histiocytoma)
Keyword:
硬化性血管腫(sclerosing hemangioma)
,
線維性組織球腫(fibrous histiocytoma)
pp.284-286
発行日 2005年3月1日
Published Date 2005/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412100076
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要約
48歳,男性.上口唇人中のやや左側に直径6mmの半球状紅色丘疹が生じた.臨床的には血管腫を示唆したが,組織学的に硬化性血管腫と診断した.硬化性血管腫は線維性組織球腫の一型であるが,これに属するものとして皮膚線維腫(dermatofibroma),小結節性表皮下線維症(subepidermal nodular fibrosis)がある.しかし,自験例は以下の特異点も認められた.すなわち,①硬化性血管腫としては出血像がないこと.したがって,ヘモジデリン貪食像が存在しないこと,②通常の皮膚線維腫と異なり,周辺線維間への新生線維芽細胞および膠原線維の浸潤性増殖がなく,周囲との境界がかなり明瞭であること,③本腫瘍の構成成分は成熟膠原線維,線維芽細胞,小血管のみで,sclerotic fibromaへの移行を示唆する像であること,である.
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