特集 高齢者の耳鼻咽喉科・頭頸部疾患—治療とリハビリのてびき
11.高齢者の耳鼻咽喉科疾患と精神疾患
③耳鼻咽喉科疾患と痴呆
高内 茂
1
1兵庫医科大学精神神経科学教室
pp.197-200
発行日 1998年4月30日
Published Date 1998/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411902724
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はじめに
高齢人口の増加とともに,痴呆は急速に重要性を増しつつある社会問題の1つとして認識されるようになった。痴呆を伴う老人はもはや例外的な存在ではなく,精神科,神経内科,老年科など痴呆症を専門に扱う診療科のみならず,医療のあらゆる場面で出会うようになっており,痴呆に関する様々な問題に直面する可能性は医療関係者全体に及んできている。
本稿では耳鼻科領域と痴呆との関連について述べるにあたって,最初に痴呆症状およびその主な背景疾患の概略を解説し,聴覚障害と認知障害に関する最近の研究の動向ならびにアルツハイマー病(AD)の病因に関する鼻粘膜障害仮説を紹介したい。
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