特集 私のクリニック
1.仙台・中耳サージセンターの紹介—短期入院による鼓膜・鼓室形成術を主体としたシステム
湯浅 有
1,2
1将監耳鼻咽喉科
2仙台・中耳サージセンター
pp.341-345
発行日 2002年5月20日
Published Date 2002/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411902562
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はじめに
1989年に当施設長(湯浅 涼)らが発表した鼓膜形成術(接着法)は,従来法に比べ極めて低侵襲であったため,日帰りまたは短期入院で施行可能となった。発表当時はマスコミに取り上げられたこともあり,全国から当時の勤務先であった東北労災病院に患者が殺到した。東北労災病院の退職後,1993年9月に全国からの接着法希望者に対処すべく,有床(2床)診療所,将監耳鼻咽喉科が開院され400例以上の接着法を中心とした中耳手術が施行された。1年後の1994年10月,病床の拡大(10床),CTなど設備の充実に伴い,石田名香雄元東北大学総長により「仙台・中耳サージセンター」と命名され,当施設が開設された(図1)。翌年の4月には日本耳鼻咽喉科学会より研修施設の認可を受け,現在に至るまでに約3,700例の中耳手術が当施設で施行されている。内訳としては鼓膜形成術が約半数を占めるが,約15%は真珠腫性中耳炎に対する鼓室形成術であり,この場合でも5泊の入院で手術可能である。
本稿では,主に短期入院による低侵襲性中耳手術に関連した当施設のシステムを紹介する。
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