増刊号 こんなときの対応法がわかる 耳鼻咽喉科手術ガイド
Ⅰ.耳の手術
鼓室形成術:真珠腫性中耳炎
松田 圭二
1
1宮崎大学医学部耳鼻咽喉・頭頸部外科
pp.26-30
発行日 2015年4月30日
Published Date 2015/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411200575
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症例呈示
37歳,男性,両側の弛緩部型中耳真珠腫の症例。6か月前に難聴の強い左側に一期的に外耳道保存型鼓室形成術(Ⅲi-M)を行った。経過は良好で,今回,右耳の手術目的で入院した。
右鼓膜所見で,陥凹した弛緩部にデブリが貯留,後上部には白色の真珠腫塊が透見できた(図1)。左側は術後耳で,薄切軟骨で形成したscutumに陥凹はない。オージオグラムでは,右側により強い伝音難聴を認めた。側頭骨CTで右側には,上鼓室,乳突洞,鼓室洞に軟部陰影があり,ツチ・キヌタ骨の破壊像と周囲の石灰化を認めた。半規管瘻孔はなく,耳管から中鼓室まではよく含気していた。
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