特集 耳鼻咽喉科・頭頸部外科における手術の危険度
頸部
37.がま腫摘出術
桜井 一生
1
1藤田保健衛生大学耳鼻咽喉科学教室
pp.177-179
発行日 2002年4月30日
Published Date 2002/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411902555
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はじめに
がま腫は,舌下腺管の閉塞により唾液が舌下腺管,舌下腺から漏出して生ずる偽?胞である。多くは口腔底に限局する舌下型であるが,顎舌骨筋を超え舌下部に進展する顎下型や,両方にまたがる舌下・顎下型も認められる。その治療は,一般的には手術療法が選択されているが,最近ではOK−432の注入療法を試みた報告もなされている。手術療法は嚢胞の存在部位や大きさにより,嚢胞開窓術,嚢胞全摘術,舌下腺全摘術,顎下腺全摘術などが口内法や頸部外切開法により,それぞれ単独あるいは組み合わせて行われている。また,がま腫では術後再発の報告も少なくなく,近年ではその成因から考え舌下腺全摘術が再発が少なくよい方法であるとする報告が多く認められる1〜3)。
本稿では,がま腫における各手術法に伴う危険度と再発について述べることとする。
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