特集 耳鼻咽喉科・頭頸部外科における手術の危険度
耳
8.内リンパ嚢手術
矢沢 代四郎
1
1滋賀医科大学耳鼻咽喉科学
pp.39-42
発行日 2002年4月30日
Published Date 2002/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411902526
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はじめに
内リンパ嚢手術は機能改善を目的とする手術であるので,その適応を安易に拡大してむやみに行うと期待した結果を得ることは困難である。その結果として,術後に患者との間に思わぬトラブルを引き起こすことも考えられるので,手術適応についても慎重であるべきである。
内リンパ嚢手術は,炎症のない乳突洞を削開することから始まるので,側頭骨解剖が理解できている術者にとっては困難な手術ではない。しかし,後頭蓋窩硬膜を露出させる作業や内リンパ嚢の同定,内リンパ嚢内腔の確認など特有の問題点もある。
さらに,術直後に予想される症状などについても術前に上分に説明しておくことも大切な事項である。これらの項目について順に述べる。
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