トピックス クリニカルパスとその周辺
2.耳鼻咽喉科外来におけるクリニカルパス
荒木 倫利
1
,
竹中 洋
1
1大阪医科大学耳鼻咽喉科学教室
pp.261-266
発行日 2001年4月20日
Published Date 2001/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411902329
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はじめに
クリニカルパスは従来,急性期入院の治療手順の標準化を目的としてとして開発されてきた経緯があるが1,2),その目的は,現在進行しつつある医療の標準化,情報開示の流れを受けて変化しつつある。
クリニカルパスの定義として,開発された当時の1990年代前半には,“患者が内科的,外科的,精神的な危機から回復したり,状態が安定したりするのを援助するために,特定の時間の枠組みの中でケア・医療スタッフや支援部門が必要とする行動をまとめているツール”(Zander K),“DRG(diagnosis related group)が決めている入院期間内で標準的な結果を得るために,主治医と看護婦が行うべき手順と時間割”(Guliano K & PoirierC)1)とされており,入院期間を短縮して医療の生産性を向上するとともに,提供する医療の質をも向上し,医療を標準化するのが目的と考えられていた。したがって,当初は入院患者に対して行われる内容を記したチャートとして考えだされている。
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