鏡下咡語
食道癌と私
髙橋 宏明
1
1大阪医科大学
pp.130-131
発行日 2001年2月20日
Published Date 2001/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411902307
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死ぬのが怖く,不気味で,不愉快なのは当たり前である。その理由の第1は「世の中」というものは,自分が目で見たり,耳で聞いたりする認識を前提として存在するものなのに,自分が死んで居なくなっても世の中はあるという状態が,本来理解しにくいこと。第2は,死ぬ前には疼痛を主とする種々の苦痛を経過せねばならないのが一般的であること。そして第3は,死ぬのは確実なのに,それが何時であるかが分からない不気味さであると思われる。
今年もそうだが,昨年,すなわち平成11年の夏は殊のほか暑かった。
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