鏡下咡語
人工内耳ことはじめ—宮崎医科大学で
森満 保
1
1宮崎医科大学
pp.938-939
発行日 1999年12月20日
Published Date 1999/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411902087
- 有料閲覧
- 文献概要
日本での人工内耳移植術は3M社の単極のもので始まった。22chのコクレア社のものは,東京医大の舩坂教授によって実施されたのが最初であろう。国立大学では琉球大学の野田教授が始められた。戦後沖縄で流行した風疹聾への対策が目的と聞いている。宮崎医大では,その信頼性や優秀性は調査済であったが,実施はずるずると遅れた。予算もマンパワーも全くなかったからである。
幸いに,F助手がドイツで知り合ったアイオア大学,タイラー教授の所に留学し,患者選択と術後リハビリの実際を勉強して来ることになった。早速助手在任のままで留学してもらった。国立大学の助手が留学する際には,研究留学という助手在籍のまま留学する立場と,研究休職をして留学する2つの立場がある。前者では給料が100%支給される。後者では60%支給となるが,代任助手を採用できる点が大きく違う。研究休職者が帰国したら助手籍を返すことが条件であるが,別の助手を任用できるので教室業務に支障はない。留学する側も安心して勉強できるよい制度である。
Copyright © 1999, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.