連載 症状から見た耳鼻咽喉科・頭頸部外科シリーズ
⑪めまい
八木 聰明
1
1日本医科大学耳鼻咽喉科学教室
pp.414-420
発行日 1997年5月20日
Published Date 1997/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411901587
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I.問診による診断
めまいは症状であり,その詳しい聴取はめまいの診断にとって特に重要である。問診を上手に行うことによって,特定の疾患をイメージアップすることもできる。常に診断を行うことを念頭に置きながら,次のような点に注意を払って問診を進める。すなわち,①発症の仕方,②蝸牛症状の有無,③誘因の有無,④蝸牛症状以外の随伴症状(神経症状),⑤全身的要因,などの点である。
表1は,日本平衡神経科学会の示した「めまい・平衡障害の診断ガイドライン」に提示されためまい診断のフローチャートである。不要な部分や複雑な部分をかなり削除してあるために単純ではあるが,考えのもとになるものとしては有用であろう。このチャートを使いながら,次にあげる2つの具体例について考えてみたい。
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