連載 症状から見た耳鼻咽喉科・頭頸部外科シリーズ
⑥鼻出血
長舩 宏隆
1
1東邦大学医学部耳鼻咽喉科学教室
pp.1092-1098
発行日 1996年12月20日
Published Date 1996/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411901510
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
鼻出血はきわめて一般的な症状であり,どの診療科においても日常診療で遭遇する機会が比較的多いと思われる。本来の呼吸道としての鼻・副鼻腔はその他にいくつかの生理的な役割があるが,その1つに吸気の加温,加湿という重要な役目をになっている。そのために粘膜は血管に富んでおり,その血管構築も動静脈吻合,毛細血管,洞様血管などが密接に組み合わされている。これらの理由により,外的影響(打撲,掻傷など),内的影響(高血圧など)により容易に出血をきたすこととなる。
鼻出血の背景となる疾患については全く無いか不明なものが多いが,時には見逃すと生命に危険を及ぼすような疾患もあり,その診断と治療処置の際には注意を払う必要がある。
Copyright © 1996, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.