特集 耳鼻咽喉科・頭頸部外科領域の画像診断
4.甲状腺
2.甲状腺のCT
湯本 英二
1
1愛媛大学医学部耳鼻咽喉科学教室
pp.120-127
発行日 1995年11月20日
Published Date 1995/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411901247
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■はじめに
結節性甲状腺腫の診察に際しては,癌との鑑別や悪性度の診断を含めた腫瘍の性状,局所進展度と隣接臓器への浸潤,頸部リンパ節転移,遠隔転移の有無などについての診断が必要となる。イオパミドール,イオヘキソールなどの造影剤を点滴静注しながらCTを撮影し,腫瘍内部の造影効果を観察することで,ある程度以上の大きさの腫瘍では良・悪性の鑑別に有用なことがある。しかし,CT検査の意義は,組織型の鑑別よりも,腫瘍の局在と隣接臓器との関係を知ることにある。癌の場合には気管,食道,大血管などの隣接臓器への浸潤や縦隔への進展の有無を判定するのにCT検査は必須である。
本稿では結節性甲状腺腫の代表的疾患を取り上げ,そのCT像を紹介する。なお,稀な疾患では古い症例があるので,撮影に用いられたCTの機種,撮影時のスライス幅や造影剤の種類などが一定でないことをお断りする。
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