トピックス メディカルフォトテクニック
3.口腔・咽頭写真の撮り方
宮田 守
1
,
森田 守
1
1自治医科大学耳鼻咽喉科学教室
pp.952-958
発行日 1994年11月20日
Published Date 1994/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411901039
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はじめに
耳鼻咽喉科領域は視診が比較的簡単に行える。しかし単に見えることと正確な所見が取れることは全く別で,このことはいかに高性能の内視鏡を用いても同じである。耳鼻咽喉科医になりたての頃先輩の先生に「局所所見が取れなければ議論にならない」とよく言われたもので,耳鼻咽喉科領域は視診でいかに多くの所見が取れるかが大切である。耳鼻咽喉科医としての経験を踏むに伴って視診による情報量が増えてくる。視診による所見をカメラによって記録する利点は,1)病変の経過を客観的に評価できる,2)記録された所見を見直すことによって耳鼻咽喉科医としての目を養うことができる,3)患者に病変の説明をする際に利用できるなどがあげられる。しかし忙しい診療のなかで所見をカメラで記録することは意外と難しく,ついつい下手なdrawingの絵だけで済ませてしまうことが多い。この辺を解決するにはまずカメラや内視鏡に慣れることであり,決して難しい写真撮影の理論を身につける必要はないと考えている。撮影する部位によっていつも一定の撮影機器を使用し,その撮影条件を1つだけ覚えておけばまずまずの記録ができる。次に写真撮影に必要な機器を絶えず診療している場所に置いておき,いつでもすぐに使用できる状態にしておくことが,撮影のチャンスを逃さないためには非常に重要である。以下われわれが日常診療で使用している写真撮影の機器,撮影条件などについて紹介し,特に写真撮影が苦手な方の参考にしていただければ幸いである。
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