鏡下咡語
ことばの限界
一色 信彦
1
1京都大学
pp.720-721
発行日 1994年8月20日
Published Date 1994/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411900970
- 有料閲覧
- 文献概要
I.ことばの過信
中華航空のエアバスが着陸に失敗,またまた大惨事となった。数日後,フライトレコーダー,ボイスレコーダーの分析結果から,どうやらパイロットのミス,つまりコンピューターによる自動操縦と手動と相矛盾する命令を入れたのが原因らしいと発表された。ハイテクの限界とか,パイロットの訓練不足とか色々のコメントが続いた。エアバスの会社は自動操縦の場合,相反する手動命令を入れない様インストラクションに注意してあると主張する。
いくら本に書いてあっても,めったに起こらない事は咄嗟の場合,思い出せるものではない。なぜもっとシミュレーションによる訓練ができなかったのかと思った。ことばの過信ともいえる。
Copyright © 1994, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.