鏡下咡語
耳飾り館の誕生
川端 五十鈴
1
1埼玉医科大学総合医療センター耳鼻咽喉科
pp.378-379
発行日 1993年5月20日
Published Date 1993/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411900719
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はじめに
ヒトは昔から身体を美しく飾るため種々の装身具を身につけてきました。ヨーロッパやユーラシア大陸の旧石器時代の遺跡から装身具と想像される玉類,石片,骨片などが出土しているので装身具の歴史は遠い昔に始まります。我が国でも縄文時代早期の遺跡から装身具に相当する出土品が発掘されておりますので,私共の祖先も古くから装身具を愛用していたようです。
聞くところによりますと,装身具というものは2種類に大別されると云われます。1つは今日のアクセサリーに属するもので,髪飾り,首飾り,指輪,腕輪などで,単に身体につけるものです。もう1つは入れ墨,御歯黒,抜歯,鼻輪など自分自身の肉体に手を加えて飾り立てるもので,その代表的なものが耳飾りでありましょう。
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