トピックス 頸部腫瘤の穿刺吸引細胞診
頸部腫瘤の穿刺吸引細胞診は有効か
堀内 正敏
1
1東海大学医学部鼻咽喉科学教室
pp.247-251
発行日 1992年4月20日
Published Date 1992/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411900518
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はじめに
頸部の腫瘤性病変には多くの疾患が含まれている。先天性嚢胞・リンパ節炎・癌の転移・甲状腺または唾液腺の疾患などである。いずれも日常の診療でよくみる腫瘤であるが,鑑別診断を正確に行うのはときに困難なことも少なくない。
正確に病理組織診断をするためには,外科的な操作が必要になるが,すべての症例に診断のための腫瘤の摘出を行うことは頸部腫瘤の診断方法として的確な方法でない。同じリンパ節の腫大でも,リンパ節炎と癌のリンパ節転移では治癒のための治療方法は著しく異なる。適当な治療法を選択するためには正確な診断が必要である。
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