トピックス 副鼻腔のエアロゾル療法
鼻茸切除術後におけるネビュライザー療法の効果
北南 和彦
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1旭川医科大学耳鼻咽喉科学教室
pp.41-44
発行日 1992年1月20日
Published Date 1992/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411900482
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はじめに
鼻茸は鼻疾患のうちでも比較的ありふれた疾患であり,慢性副鼻腔炎と合併していることが多くみられる。切除術が広く行われているが,再発しやすいのは周知の事実である。そこで,種々の薬物療法を組み合わせることが考えられている。中でもステロイド剤は単独でもその効果が認められている1)。一方,慢性副鼻腔炎の検出菌はグラム陽性菌ではS.aureus,グラム陰性菌ではPseudo-monas aeruginosa,Hemophilus influenzae,Proteus属Klebsiella属,嫌気性菌ではPeptostrePtococcus,Bac-teroidesなどが多い2)。硫酸ジベカシンは嫌気性菌には感受性がほとんど見られないものの,S.aureusなどのグラム陽性菌および Pseudomonas aeruginosaなどのグラム陰性菌に対して抗菌力を有する。また,安定性が高い,苦みが少ない,抗原性が低いなど利点が多いためネビュラィザー用薬剤として適している3)。今回われわれは鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎患者の鼻茸切除術後に硫酸ジベカシン+デキサメタゾンあるいは,硫酸ジベカシンのみをネビュライザーにて投与し,その効果について検討した。
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