- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
1990年7月29日から8月4日の1週間,スノーマス・アスペンで第3回内耳外科シンポジュームが開催された。名称は内耳外科だが神経耳科を中心とする,めまい,耳鳴,難聴等多岐にわたる問題を討議の対象としている。この会議はProsper Meniere Societyが中心となって4年に1回開催されるが,同時にメニエール病の研究に多大の功績があった研究者に同協会からGold Medalが授与されてきた。ちなみに過去の受賞者はGeorge E. Shambaugh,George Portmann,William Houseで,今回は大阪大学の内藤儁名誉教授とボルドー大学Michel Port—manm教授が受賞される事となっていた。そのためか日本からは内藤先生の他,群馬大から亀井教授,富山医科薬科大水越教授夫妻,渡辺助教授夫妻,聖マリアンナ大加藤教授,京大伊藤講師,阪大久保助教授一家,原田講師夫妻,大阪市大中井教授,愛媛大柳原教授,高知医大齋藤教授,竹田助教授,神戸中央市民病院山本部長夫妻,水上君,滋賀医大からは私達夫婦の他,矢沢講師,北野,児玉,内田,鈴木,山本の諸君らが参加したが,その数は今までの同シンポジューム参加老の中で最も多く,ミネアポリスのDr. Mori—zonoも見えていた。
ロッキー山中のリゾート,アスペンはデンバーの西南西,直線距離にして200キロメートルの地点で,第2次世界大戦中アリューシャン奪回のために編成された部隊の雪中訓練を行った頃から開けたという。標高は約3000メートル富土山位の高さだが,見下ろすものがないから,高山という実感はない。しかし坂道を登ると息切れが激しいから,やはり高いのであろう。スノーマスは正確に言うとアスペン市街から30キロメートル程離れたスノーマス・ビレッジの事で,その名が示すように,冬はスキー場として特に有名だが,夏も避暑地として別荘が立ち並び,バレーや音楽など芸術家の卵が世界各国から集まって来る。ホテルのロビー,レストラン,街角のあちこちで彼らの演奏に出会うのも楽しい。この会期中,サッチャー首相やブッシュ大統領もアスペン入りしたが,イラクのクエート侵攻で予定を切り上げ,早々に帰ってしまった。
Copyright © 1990, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.