増刊号 患者・家族への説明ガイド—正しく伝え,納得を引き出し,判断を促すために
Ⅰ.耳と聞こえのこと
医師・医療者から説明しておきたいこと
聴神経腫瘍の手術適応について
大石 直樹
1
1慶應義塾大学医学部耳鼻咽喉科
キーワード:
腫瘍径
,
聴力温存率
,
顔面神経機能温存率
,
経過観察
,
wait and scan
,
放射線治療
Keyword:
腫瘍径
,
聴力温存率
,
顔面神経機能温存率
,
経過観察
,
wait and scan
,
放射線治療
pp.80-82
発行日 2018年4月30日
Published Date 2018/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411201600
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
説明のPOINT
・聴神経腫瘍は良性腫瘍であり,手術の絶対適応は,腫瘍の増大によって脳幹が圧迫され他の脳神経症状や意識障害をきたすような状況であるが,そのほかはあくまで相対適応である。
・大きな腫瘍を除いては,まずは経過観察(wait and scan)が基本であり,腫瘍の増大が認められた場合に積極的治療を考慮する。
・手術にあたっては,聴力温存と顔面神経機能温存が重要なポイントとなる。
・手術適応と考えられる症例に対しては,いたずらに経過観察期間を長くし過ぎることなく,手術が必要と思われる医学的背景,根拠を明確に説明し,機能温存のための時期を逸することなく手術を勧めることも重要である。
Copyright © 2018, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.