Japanese
English
Review Article
鼻性NK/T細胞リンパ腫
Extranodal NK/T cell lymphoma, nasal type
熊井 琢美
1,2
,
原渕 保明
1
Takumi Kumai
1,2
,
Yasuaki Harabuchi
1
1旭川医科大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科学講座
2旭川医科大学頭頸部癌先端的診断・治療学講座
pp.1018-1028
発行日 2017年11月20日
Published Date 2017/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411201432
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Summary
●鼻性NK/T細胞リンパ腫は鼻腔や咽頭に初発し,顔面正中部に沿って進行する破壊性のNK細胞もしくはγδT細胞由来の悪性リンパ腫である。不明熱やウイルス関連血液貪食症候群といった全身症状の合併を認める場合がある。
●鼻性NK/T細胞リンパ腫はEBウイルス関連疾患であり,EBウイルス潜伏感染2型を呈する。EBウイルス蛋白であるLMP1が,ケモカインやマイクロRNAを介して腫瘍の増殖や生存に寄与している。
●本疾患の診断には,CD56の免疫組織染色やin situハイブリダイゼーション法によるEBER染色が有用である。EBウイルスDNAは診断および病勢,予後を反映する鋭敏な腫瘍マーカーとなる。
●本疾患における治療の第一選択はMPVIC-P療法やDeVIC療法に代表される化学療法同時併用放射線治療であり,一定の効果が望まれる。今後の展望として,免疫療法や分子標的薬の臨床応用が期待される。
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