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English
特集 外リンパ瘻診療の新しい展開
《外リンパ瘻関連疾患》
機械的外傷と外リンパ瘻
Traumatic perilymphatic fistula—diagnosis and treatment
岩﨑 真一
1
Shin-ichi Iwasaki
1
1東京大学医学部耳鼻咽喉科
pp.734-740
発行日 2016年9月20日
Published Date 2016/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411201068
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POINT
●外リンパ瘻の原因のうち約4割が機械的外傷によるものであり,最多である。本邦における特徴として,耳かきによる外傷性外リンパ瘻が多いことが挙げられる。
●耳かき外傷後の外リンパ瘻では,めまい,難聴,耳鳴を主訴とする例が多い。「水が流れるような耳鳴」を訴える例は多くはない。
●診察では,鼓膜穿孔の有無だけでなく,発赤や出血,鼓室内貯留液の有無にも着目する。
●聴力検査では混合性難聴を呈することが多いが,伝音難聴の症例もある。また,徐々に聴力が悪化する症例もあるので,複数回の検査を行う。
●側頭骨CTでは,耳小骨の離断や偏位,迷路気腫の有無について読影を行う。異常を認めない場合も多いので,総合的に診断を行う必要がある。
●外傷性の外リンパ瘻では,早期より手術が勧められる。手術を施行する場合には,事前にめまい・平衡障害の改善については成績良好であるが,聴力改善についての成績は必ずしもよくないことを患者に十分説明する必要がある。
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