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昨今のニュースにはあまりに刺激的なものが多く,テレビやネット,活字を通じて幾度となく情報が流れ,世の中全体が混乱させられています。東京都知事の辞職問題,参議院選挙,いつの世にもあるゴシップの類,医療に関係あるところでは,さらに混迷をきわめている新専門医制度問題などです。日耳鼻総会の後にまた暗礁に乗り上げた感じです。そういったなかでもMLBでのイチローの大活躍,テニス界における錦織選手の世界的躍進は至極の一服であります。新専門医制度の有効性は別として,耳鼻咽喉科の若手の先生方は,どうぞ前向きに症例報告,研究報告を学会で口演し,論文発表を通じて広く世の中に提示してください。耳鼻咽喉科・頭頸部外科が至極の一冊となるよう編集委員,医学書院総力を挙げて努力したいと思います。
今月の特集は「頸部腫瘤を見極める」というテーマで,新進気鋭の先生方に執筆をお願いいたしました。総論的な「頸部腫瘤の鑑別診断」については本誌編集委員の丹生健一先生に,頸部リンパ節腫脹の「炎症性疾患」は齋藤康一郎先生,「悪性リンパ腫」は近松一朗先生,「転移性リンパ節腫脹」は佐藤宏樹先生,「唾液腺腫脹」は井口広義先生に,「神経原性腫瘍」は小野剛治先生,「血管性腫瘍」は志賀清人先生,「リンパ管腫・ガマ腫」は香取幸夫先生,「先天性囊胞性腫瘤」は山内盛泰先生,「甲状腺腫脹・腫瘍」は山下 拓先生にと,各疾患のポイントと診断,分類や鑑別のコツ,治療に至るまでわかりやすく解説いただいています。専門医試験を前にされている先生方にも有益な内容です。また原著として小児に関する2編,CHARGE症候群小児3症例の人工内耳に関する論文と,小児のアレルギー性真菌性鼻副鼻腔炎症例が掲載されています。いずれもホットな内容です。是非ご一読いただければと思います。執筆していただいた先生,ご投稿いただいた先生に改めて御礼申し上げます。
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