書評
口腔咽頭の臨床 第3版
山岨 達也
1
1東京大学大学院・耳鼻咽喉科
pp.217
発行日 2016年3月20日
Published Date 2016/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411200848
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
口腔咽頭領域の臨床における最先端の内容を網羅
このたび,日本口腔・咽頭科学会より『口腔咽頭の臨床 第3版』が発刊された。本書は1998年に初版が,次いで2009年に第2版が刊行されており,今回6年あまりでの改訂である。初版ではB5判だったものが第2版からはA4判となり,各疾患の詳細な解説と写真,豊富な図が充実していたが,今回はこの6年あまりの間の新しい知識や知見が追加され,さらに充実したものとなった。いびきと睡眠時無呼吸症候群,摂食嚥下障害,構音障害,腫瘍などは前版に引き続き独立した章として編集されている。
内容としては,まず基礎編として口腔・咽頭・扁桃・唾液腺などの「発生・解剖・機能」が,また摂食嚥下・味覚・唾液・構音・扁桃・睡眠時無呼吸症候群の「検査法」がそれぞれ取り上げられている。「発生・解剖・機能」ではわかりやすい解剖図や組織写真が多用されており,「検査」では観察のポイント,重症度判定や診断基準,起炎菌の検出頻度や試験の陽性率などが紹介されるとともに検査の実際が写真として提示され,初心者でもよく理解でき,検査を行う際の参考にできるようになっている。
Copyright © 2016, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.