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例年に比べ残暑は厳しくなかったように感じましたが,あとがきを書いている9月はさまざまな出来事がありました。明るいニュースの代表は南アフリカを撃破した日本ラグビーの快挙,その強さと執念には頭が下がる思いです。一方で台風や大雨,火山の噴火や地震などの災害も続いています。日ごろから個人個人で備えをしておきたいものですが,日常の生活に追われているとどうしても手薄になってしまうのも事実です。あらためて自分自身で身を守ることの大切さを認識している毎日です。さて,9月には,わが耳鼻咽喉科は日本耳鼻咽喉科感染症・エアロゾル学会,日本口腔咽頭科学会の開催,耳鼻咽喉科医も少ないながらも参加した日本シェーグレン症候群学会が開催され,全学会に参加された先生は大変お疲れさまでした。さらに本誌11月号が発行されるまでには鼻科学会,耳科学会,音声言語,気管食道科学会などが開催される予定です。こちらも多くの先生方が熱意と信念をもって学術講演会の準備に臨まれることと思います。
本誌の特集企画は日常診療にはもちろん,専門医の試験の準備としても意義あるものと考えています。ぜひ若い先生にも熟読をお薦めします。11月号の特集は「これだけは知っておこう鼻出血への対応法」です。いつの時代にも必ず教科書やテキストに載るテーマですが,耳鼻咽喉科医にとって必須のテーマでもあり,常に知識を整理しておく必要があります。原著は3つの論文掲載です。一つ目は永久気管孔をもつ患者さんの気管内の痂皮形成への対応を示したもので,同じ経験をしている先生方に役立つ情報となっています。二つ目は,急性型の頸部放線菌症の症例報告で,めずらしい疾患です。知識として放線菌症に起因する疾患の存在も常に念頭に置いておきたいものです。三つ目は,小児良性発作性めまいに関する論文でBPPVとも異なる疾患ですが,本疾患の経験の少ない施設が多いと考えられますのでぜひこれも押さえておきたい疾患です。
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