特集 ウイルス感染症
II.ウイルス感染症
インフルエンザ
中島 節子
1
1国立公衆衛生院衛生微生物学部
pp.885-889
発行日 1988年10月20日
Published Date 1988/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411200238
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はじめに
毎年冬になるとインフルエンザが流行するが病原体はインフルエンザウイルスである。このウイルスは抗原性が変化しやすく,また呼吸器気道表面の上皮細胞にのみ感染しウイルス血症を起こさないままに発病するため,ワクチンによる制圧が非常に困難である。個々の患者における症状は比較的軽症で短期間で治癒するものではあるが,圧倒的多数の人が罹患し,高齢者においては罹患により肺炎を併発し生命の危険にさらされる場合が多いことを考えると,インフルエンザが一刻も早く制圧されることが望まれる。
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