トピックス 鼻閉の新しい治療法
薬物療法
奥田 稔
1
1日本医科大学耳鼻咽喉科学教室
pp.561-564
発行日 1988年7月20日
Published Date 1988/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411200185
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はじめに
鼻閉を起こす原因は多彩であり,外鼻,鼻副鼻腔,鼻咽腔の奇形,外傷,炎症,腫瘍など多くの疾患,病態が挙げられる。そのうち薬物療法の対象となるのは鼻副鼻腔の広義の炎症や機能的疾患であろう。具体的には急性,慢性の鼻副鼻腔炎,鼻茸,鼻アレルギー,血管運動性鼻炎,薬物性と内分泌性・心因性の鼻炎,欝血性鼻炎などであろう。
これらの疾患の鼻閉は粘膜の腫脹で起こる。鼻粘膜の腫脹は欝血,浮腫などの循環障害,分泌腺の腫大または数の増加,細胞浸潤,結合織の増生による。それゆえ鼻閉の治療はこれらの病態の改善にある。この病態の改善法は原因疾患により異なるのはいうまでもない。
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