増刊号 画像診断パーフェクトガイド―読影のポイントとピットフォール
部位別診断法
Ⅱ.鼻・副鼻腔
特殊な悪性腫瘍
近松 一朗
1
1群馬大学大学院医学系研究科耳鼻咽喉科・頭頸部外科学
pp.156-162
発行日 2014年4月30日
Published Date 2014/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411102826
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画像診断の狙い
鼻副鼻腔に発生する悪性腫瘍病変の多くは上顎洞扁平上皮癌である。しかしながら,それ以外の悪性腫瘍は非常にさまざまな組織型のものが発生する。画像診断によって良悪性の鑑別はある程度可能であるが,組織型の診断までは困難である。そのため画像診断に加えて,発生部位,進展方向,臨床症状,年齢,性別,局所所見なども有用な情報となる。
ここでの画像診断の狙いは,炎症性疾患との鑑別,腫瘍の性状の把握,進展範囲の正確な評価(腫瘍性病変と炎症性病変の区別)であり,正確な画像診断を行うことは生検部位の決定,外科的治療の適応を含めた治療計画の立案,さらに予後の予測に重要である。本稿では,鼻副鼻腔に発生する特殊な悪性腫瘍として比較的頻度の高い腺様囊胞癌,嗅神経芽細胞腫,悪性黒色腫について述べる。これらの腫瘍は,同時に診断や治療に難渋することも多い腫瘍である。
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