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特集① 甲状腺・副甲状腺診療Update
腎性副甲状腺機能亢進症に対する薬物療法
Medical treatment of renal hyperparathyroidism
矢野 彰三
1
,
杉本 利嗣
2
Shozo Yano
1
,
Toshitsugu Sugimoto
2
1島根大学医学部臨床検査医学
2島根大学医学部内科学第一
pp.576-583
発行日 2013年7月20日
Published Date 2013/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411102568
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POINT
●慢性腎臓病(CKD)患者では,骨・ミネラル代謝異常の発症予防と是正,異所性石灰化や心血管イベントの発症予防,死亡リスクの低減を目的に,血清リン(P)・カルシウム(Ca)濃度および副甲状腺ホルモン(PTH)の管理を行う。
●透析患者では,Pの管理を最優先とし,血清P 3.5~6.0mg/dLの範囲を目標にCa非含有P吸着剤を中心に用いる。
●次に,血清Ca濃度の調節を優先し,Ca剤,活性型ビタミンD製剤やシナカルセトなどを用いて8.4~10.0mg/dLの範囲に管理する。
●最後に,PTHをintact PTH 60~240pg/mLまたはwhole PTH 35~150pg/mLとなるように上記薬剤の増減を行い,薬物治療で管理困難例はすみやかに副甲状腺摘除術(PTx)を行う。
●保存期CKD患者では,血清P・Caを各施設の基準値内になるよう,食事のP制限やP吸着剤,経口活性型ビタミンD製剤を用いる。
●CKD1-2および生化学異常を有さないCKD3の患者では骨密度・骨代謝マーカーを測定し,脆弱性骨折予防のための薬物開始基準を満たす場合は治療を開始することが望ましい。
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