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神経再支配を目ざした音声外科
Phonosurgery aiming at laryngeal reinnervation in the treatment of severely breathy dysphonia due to unilateral vocal fold paralysis
湯本 英二
1
Eiji Yumoto
1
1熊本大学医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科
pp.98-106
発行日 2013年2月20日
Published Date 2013/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411102372
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はじめに
反回神経の傷害は頭蓋内・底から頸部,胸部にわたる広い範囲のさまざまな疾患によって惹起される。最近は,何らかの手術後に起こる術後性麻痺の増加が指摘されている1~3)。たとえ原疾患の経過が順調であっても,高度嗄声は話声によるコミュニケーションを困難にし,社会復帰の妨げになるだけでなく,会話を続けると過呼吸になって疲労・倦怠感・体がしびれる,といった身体症状を起こすことから,患者のQOLを著しく障害する4)。したがって,反回神経の傷害による高度嗄声に対する音声外科手術の意義はきわめて大きい。
従来,報告されてきた声帯内注入術や喉頭枠組み手術の術後発声機能は必ずしも十分とはいえないことから,筆者は麻痺側甲状披裂筋の神経再支配を目ざした治療を行ってきたので,その概要を報告する。
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