特集 最新の診療NAVI―日常診療必携
Ⅺ.好酸球関連疾患診療NAVI
4.軟部好酸球性肉芽腫症
吉原 俊雄
1
1東京女子医科大学耳鼻咽喉科
pp.323-325
発行日 2012年4月30日
Published Date 2012/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411102181
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Ⅰ 疾患についての概説
軟部好酸球性肉芽腫症は1948年に木村ら1)が特異な病理学的特徴を報告し,1959年に飯塚ら2)が臨床所見と病理所見を基に木村病と命名したことに始まる。西欧に少なく,青年期から壮年期の若いアジア系の男性に好発することが知られている。本疾患は全身に発生しうるが,主として顔面,頸部などの皮膚軟部組織やリンパ節に無痛性の腫瘤を形成する疾患であり,特に耳下腺部に多くみられ耳下腺腫瘍を疑わせる腫脹を示す3)。その発生機序はいまだ不明であるが,妊娠,疲労,ストレスなどで腫脹の増悪することと,血中好酸球および抗IgE抗体の高値を特徴とすることから,何らかのアレルギー特にⅠ型アレルギーを背景とすることが示唆されている。
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