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特集 最新の漢方診療
漢方診療総論
Introduction of Kampo medicine
猪 健志
1
,
花輪 壽彦
1,2
Takeshi Ino
1
1北里大学大学院医療系研究科東洋医学講座
2北里大学東洋医学総合研究所
pp.261-267
発行日 2012年4月20日
Published Date 2012/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411102105
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Ⅰ 漢方医学の特徴
漢方医学の原点は古代中国にあり,6~7世紀頃から日本に渡ってきた。特に江戸時代に腹診技術の発達など日本の文化・風土・思考法に合わせて,日本化し,独特の発展をとげた伝統医学である。近代ヨーロッパで発達した西洋医学とは,使用する薬物が違っているばかりでなく,病気を認識する態度にも,治療の手段にも,格段の違いがある。漢方医学の特徴は以下の点である1)。
(1)病気を全体としてとらえる。現代医学でももちろん病気は全身的な影響を与えると考えるが,漢方治療においても異常の部位だけでなく,常に心も含めた全身状態への配慮をする。
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