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特集 最新技術―補聴器と人工中耳・人工内耳
補聴器の最新技術
The latest technology of hearing aids
杉内 智子
1
Tomoko Sugiuchi
1
1関東労災病院耳鼻咽喉科
pp.365-370
発行日 2011年5月20日
Published Date 2011/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411101868
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Ⅰ.はじめに
1900年頃に誕生した電気式補聴器は,1990年代に入ってデジタル信号処理が導入されるようになった。このデジタル技術によって,音を増幅するだけではなく,聞き取りやすく加工することが追及されるようになってきた。以来,年月を経て,さまざまな機能が開発され,それと同時に小型化と機種の多種多様化が進んでいる。市場の現状としては,最新の技術を搭載した機種は高機能,高価格を記されている一方で,前の世代の機種の一部が求めやすい価格で供給されている。つまり,高価格な最新技術が循環し,低価格帯機種の充実をもたらしている。補聴器は,軽度から重度のさまざまな難聴の老若男女に広く,そして買い替えながら長く用いられる医療機器である。また価格,福祉という社会的側面の色も濃い1)。ここでは補聴器の最新技術について,デジタル化の変遷とともに最近の動向を概観したい。
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