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あとがき
吉原 俊雄
pp.176
発行日 2011年2月20日
Published Date 2011/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411101763
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2010年も残すところあとわずかで,本誌2月号のあとがきを書いています。相変わらず国内は政治の迷走が続き,国外も不安要素が渦巻いており,2011年は何らかの波乱を予想させます。医療の形態も含め,国全体が明確な方向性をもって進んでいくことを願ってやみません。耳鼻咽喉科も臨床研修制度改変の前に回復している施設もありますが,やはり入局者が他科に流れている状態が続いているところもあります。耳鼻咽喉科学の楽しさ,奥深さを学生,初期研修医に向けてアピールしていくことが今後の課題だと思います。境界領域である嚥下診療,口腔癌,味覚障害,口腔乾燥症など耳鼻咽喉科医が努力すべき課題も山積しています。昨今の領土問題に似て,明らかに耳鼻咽喉科領域であるにもかかわらず一部は他科に実行支配されていることを肝に銘じなければなりません。
さて,本誌の特集の多くはこれまで手術手技など勤務医の先生方や研修を始める先生に即した内容を企画してきましたが,本号では診療所を開設しておられる8人の先生(加納先生,深瀬先生,山口先生,夜久先生,笠井先生,佐藤先生,楠山先生,林先生)に,診療所での検査,治療,運営上の工夫などの原稿をお願いいたしました。執筆していただいたお原稿はおのおのの診療所の個性に応じた内容でとても有意義なものです。今後も診療所,病院のいずれの先生方にも興味ある特集企画を組めるよう編集委員,編集室共々努力していくつもりです。また2010年にはCurrent Article,鏡下囁語,目でみる耳鼻咽喉科,特集・シリーズ,増刊号そして数多くの原著投稿もいただき感謝申し上げます。2011年も是非多くの投稿をお待ちしています。
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