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特集 表在癌の新しい対応
5.中下咽頭表在癌の治療―経口的咽喉頭部分切除術(TOVS)の応用
5.Transoral videolaryngoscopic surgery(TOVS)for superficial oropharyngeal and hypopharyngeal squamous cell carcinoma
塩谷 彰浩
1
Akihiro Shiotani
1
1防衛医科大学校耳鼻咽喉科学講座
pp.777-781
発行日 2010年10月20日
Published Date 2010/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411101695
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Ⅰ.はじめに
喉頭・下咽頭癌に対する機能温存治療の1つに頸部外切開による喉頭・下咽頭部分切除術があるが,われわれは,気管切開をせずに内腔から喉頭・下咽頭部分切除ができるような手術環境を開発し,声門上癌・下咽頭癌のT1,T2,一部のT3を対象に良好な治療成績と術後機能を報告してきた1~5)。さらに最近では本手術を中咽頭癌にも応用している6,7)。
現在のところ中下咽頭の表在癌は,『浸潤が上皮下層にとどまるものでリンパ節転移の有無は問わない』と定義されている8)。この手術はもともとは表在癌切除のために開発されたものではなく,上皮下層を超えて筋組織や軟骨組織までも切除するものであるが,当然表在癌にも応用可能である。また中下咽頭の表在癌の定義では,腫瘍径については規定されていないので,例えば,径4cmを超える下咽頭癌T3でも,本手術により切除してみたら浸潤が上皮下層までで,結果として表在癌であったという場合も実際にはある。
以下,われわれが開発した経口的咽喉頭部分切除術(transoral videolaryngoscopic surgery:TOVS)について解説する。
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