特集 耳鼻咽喉科・頭頸部外科の検査マニュアル―方法・結果とその解釈
Ⅱ.めまい検査
6.VEMP(vestibular evoked myogenic potential)
室伏 利久
1
1帝京大学医学部附属溝口病院耳鼻咽喉科
pp.125-130
発行日 2010年4月30日
Published Date 2010/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411101600
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Ⅰ はじめに
VEMPは,vestibular evoked myogenic potentialの略語で,邦訳としては,前庭誘発筋電位,前庭性頸筋電位,前庭誘発頸筋電位などが用いられてきた。VEMPは,クリックやトーンバーストなどの気導音(air conducted sound:AC)刺激によって誘発される筋電位を,主として,頸筋,特に胸鎖乳突筋(sternocleidomastoid muscle:SCM)において記録するものを原法とし,末しょう前庭器のなかでもこれまで簡便で有効な検査法のなかった球形囊の機能検査として発展してきた1,2)。すなわち,前庭頸反射,特に球形囊頸反射の臨床検査として位置づけられている。臨床応用が進むにつれ,一方で,その限界も認知されるようになり,この限界を克服するためのさまざまな変法も考案されてきた。本稿では,VEMPの原法のとり方・読み方について解説するとともに,その変法についても紹介する。
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