Japanese
English
特集 耳鼻咽喉科専門研修をはじめる医師へ―知っておきたい臨床解剖
1.外耳道全摘出術
1.Lateral temporal bone resection for cancer of the external auditory canal
長谷川 信吾
1
,
丹生 健一
1
Shingo Hasegawa
1
1神戸大学大学院医学研究科外科系講座耳鼻咽喉科頭頸部外科学分野
pp.899-904
発行日 2009年12月20日
Published Date 2009/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411101519
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
Ⅰ.はじめに
外耳道癌は頭頸部癌のなかで比較的稀な疾患である。その背景に耳かき癖などの外耳道への慢性的な刺激が関与しており,初期には外耳道炎と同様の症状,所見を伴う1)。このことが患者や医師の疾患の認識不足と重なり,症状が強くなるまで放置していたり,外耳道炎として漫然と治療されていたりして診断されたときには進行した状態であることをしばしば経験する2)。
癌が外耳道に限局しているか,外耳道を越えて中耳や耳下腺などへ浸潤しているかで治療の選択や術式が異なる3~5)。
本稿では癌が外耳道に限局している場合に行う外耳道全摘出術(外側側頭骨切除術と同義)について述べる。
Copyright © 2009, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.