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片頭痛性めまい―その病態の解明にむけて
Migraineous vertigo: challenge to clarification of its pathophysiology
室伏 利久
1
Toshihisa Murofushi
1
1帝京大学医学部附属溝口病院耳鼻咽喉科
pp.737-745
発行日 2009年10月20日
Published Date 2009/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411101500
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Ⅰ はじめに
『めまい』はさまざまな疾患において生じる症状であり,その病巣・病態とも多岐にわたる。メニエール病や良性発作性頭位めまい症のように病態の解明が比較的進んでいる疾患も少なくないが,一方で,その頻度が高いにもかかわらず,依然,病巣や病態が不明である疾患もある。『片頭痛性めまい(migraineous vertigo:MV)』もその1つではなかろうか。わが国の耳鼻咽喉科医のなかでは,そうした疾患概念があること自体あまり認知されていないというのが実情であり,最近の文献を除くと,報告は少数にとどまる1)。潜在的には多くの症例が存在すると考えられる『片頭痛性めまい』について,われわれの行った臨床研究を含め,これまでの知見について紹介し,その病巣や病態について考察する。
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