鏡下囁語
学位とは何だろう?
石井 哲夫
1
1霞が関ビル診療所
pp.485-487
発行日 2009年6月20日
Published Date 2009/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411101455
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Ⅰ.切替教授
まずは大学院の入試面接である。1961年3月,東京大学医学部本館の会議室で切替一郎教授の面接を受けた。20人くらいの教授がコの字型のテーブルに坐っていてその向いの椅子にインターンを終わったばかりの志望者が同時に多数が出席し,1対1で講座担当主任教授と会話をするのである。卒業証明書や成績表はあらかじめ提出してあり書類審査は終了している。試験とはいいながら形式的であり,本人の意志確認であろう。カードが作られており,これでよいかと示されたが現住所や本籍に間違いないかの意味であったろう。テーマ欄に『内耳の自律神経について』とあった。
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