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特集 嚥下障害手術のコツ
5.嚥下障害の管理と手術時期
5.Management and the operation time of the dysphagia
津田 豪太
1
Gota Tsuda
1
1福井県済生会病院耳鼻咽喉科・頸部外科
pp.547-551
発行日 2008年7月20日
Published Date 2008/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411101296
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Ⅰ.嚥下障害の管理1)
われわれ耳鼻咽喉科医は咽喉頭や頸部などの局所を観察・評価し,治療につなげることが得意であるが,その反面,患者全体の病状を掌握するのは比較的苦手である。嚥下障害はそれ自体が病名ではなくさまざまな疾患の1病態として現れるため,その管理のみならず観察・評価する際にも,やはりその原疾患やその他の合併症などを十分に理解する必要がある。局所のみをみてしまうと,喉頭麻痺であったり,咽喉頭の知覚低下による喉頭蓋谷や梨状陥凹への唾液貯留であったり,喉頭の挙上制限などが観察されたとしても,それはあくまでも現症であり,それが今後のどのように変化(改善も増悪も)していくのか,それとも現状のまま固定してしまうのかなどがわからないと,診察が治療方針の立案につながらず自己満足なものとなってしまう。
そこで,管理の面から大切なことは治療対象となっている嚥下障害という病態が,今後,一般的にどのような経過をたどるのかという予後予測である。嚥下障害をきたす原疾患には多種多様であるが大きく分けてみると,原疾患自体が進行性で嚥下障害も増悪傾向になるもの,原疾患も嚥下障害も固定性のもの,原疾患自体は固定性で嚥下障害はある程度の治療期間を経て改善が望めるもの,原疾患が不安定で予想が立てられないものの4つになる。
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