特集 オフィスサージャリー・ショートステイサージャリー
4.鼓膜切開術
廣瀬 由紀
1
,
欠畑 誠治
1
1弘前大学大学院医学研究科耳鼻咽喉科学
pp.27-38
発行日 2008年4月30日
Published Date 2008/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411101243
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Ⅰ はじめに
鼓膜切開術は局所麻酔下で外来において施行可能なことから,耳鼻咽喉科において最も多く行われている『手術』の1つである。急性中耳炎・滲出性中耳炎などにおいて中耳貯留液をドレナージすることで,痛み・難聴といった症状を『即座に』改善させることができる。この『速効性』は薬剤では決して得られず,患者のQOLにとって非常に有効な手段である。しかし,中耳内には重要な器官が集約されており,安易に切開を行うと思わぬ合併症・副損傷を起こす可能性がある。鼓膜切開は,施行前に患者へそのメリット・デメリットを十分に説明し同意を得たうえで,細心の注意を払って行うべき『手術』である。
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