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特集 地域医療との共生―術後処置の依頼と紹介
4.気管切開 1)成人
4.Tracheotomy 1)Adult
横山 秀二
1
,
鹿野 真人
2
,
大森 孝一
1
Shuji Yokoyama
1
1福島県立医科大学耳鼻咽喉科
2大原綜合病院顔面頭頸科
pp.837-844
発行日 2007年10月20日
Published Date 2007/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411101155
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Ⅰ.はじめに
一般に,気管切開の適応となるのは,①2週間以上の長期挿管が必要,②頻回な気管内吸引が必要(嚥下性肺炎など),③上気道(咽頭・喉頭)の狭窄や閉塞,④咽頭・喉頭の術後気道管理が必要な場合などである(表1)。また,気管切開の対象としては,頭部外傷や脳血管障害,神経筋疾患,高位頸髄損傷により人工呼吸器管理となった患者や重症の肺疾患や意識障害により喀痰増加に伴う頻回の気管内吸引が必要となる患者である。このうち,全身状態や意識レベルの改善に伴い,短期間で気管切開孔が閉鎖可能となったり,一方で長期間にわたり気管切開孔を要する患者もみられる。近年の医療環境の変遷に伴い,長期入院患者のうち,療養型病院や在宅医療へ移行する症例が増加しており,専門医や地域主治医,看護師,医療ソーシャルワーカー,言語聴覚士,理学療法士,作業療法士など,医療者間および患者・家族を交えたスムーズな情報交換を行うために,病診連携を軸とした包括的な気道管理に対する支援体制の整備が必要である(図1)。
本稿では,地域医療との連携の観点から,気管切開の適応,術後合併症,および療養型病院や在宅医療におけるカニューレ管理について,成人例を中心に述べる。
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