特集 耳鼻咽喉科・頭頸部外科のリハビリテーション―症例を中心に
総論
4.ガイドラインについて 2)嚥下障害
兵頭 政光
1
1愛媛大学医学部耳鼻咽喉科
pp.45-51
発行日 2007年4月30日
Published Date 2007/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411101080
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
Ⅰ はじめに
高齢化社会の到来とともに嚥下障害に対する関心は医療的にも社会的にも急速に高まっている。特に介護保険制度の発足・普及に伴って,嚥下障害を有する患者が在宅療養を目指すようになったことも大きな背景としてある。このため耳鼻咽喉科医においても,嚥下障害に対する適切な評価および対応が求められている。嚥下障害に対する治療の目標は安全に必要な量の食物を経口的に摂取することであり,リハビリテーションの役割は大きいが,嚥下障害は多様な疾患を原因とする症候名であり,その原因疾患,病態,障害の程度によっておのずと対処法が異なる。したがって,これらを的確に診断・評価することが嚥下障害治療の前提となる。
嚥下障害の診療には現在,耳鼻咽喉科医,リハビリテーション科医,神経内科医,内科医,脳神経外科医,小児科医,歯科医など多くの診療科がかかわっている。また,看護師,言語聴覚士,理学療法士,作業療法士,栄養士など多職種の医療スタッフの協力も必要である。このようなチーム医療における耳鼻咽喉科医の役割と嚥下障害に対するリハビリテーションの考え方について述べる。
Copyright © 2007, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.