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特集 耳鼻咽喉科・頭頸部外科におけるナビゲーション手術
4.頭頸部外科におけるナビゲーション手術とその将来
4.Navigation Surgery and Its Future in Head and Neck
伊藤 卓
1
,
岸本 誠司
2
Taku Ito
1
1青梅市立総合病院耳鼻咽喉科
2東京医科歯科大学医学部頭頸部外科学教室
pp.799-803
発行日 2003年10月20日
Published Date 2003/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411100899
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I.はじめに
脳神経外科領域において,以前から使用されていたナビゲーションシステムが,約10年前より耳鼻咽喉科領域においても用いられるようになってきた。しかし,その応用は主に耳や鼻・副鼻腔領域に限られており,頭頸部領域,特に頭蓋底手術における報告はまだ少ない。頭頸部領域には眼窩・頭蓋底など解剖学的に複雑な領域が多く,多くの重要な神経・血管が走行し,しかも個人差が大きい。また,手術を行う際に複数科にまたがって行われる場合も多く,それぞれの医師個人の解剖学的イメージをリアルタイムに共有することは難しい。このような特殊な領域において安全で確実な手術を行うために,ナビゲーションシステムは重要な手術支援機器となり得ると考えられる。
われわれは,2000年12月より頭頸部・頭蓋底領域において光学式ナビゲーションシステムを14例に応用し,その有用性を確認することができた(図1)。対象症例は全て頭蓋底進展腫瘍であり,術式別の内訳は,前頭蓋底手術5例,中頭蓋底手術1例,側頭骨手術3例,側頭下窩手術3例,Le Fort I 型骨切り手術2例で,ほとんどの症例が再発例であった。これらの経験と文献的考察から本システムの有用性,問題点,将来性などについて解説する。
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